心電図⑤ Q波 心筋梗塞(前半)

※プロモーションを含みます

5回目はQ波、心筋梗塞(前半)です。

Q波

正常Q波

幅が1mm(0.04秒)未満、深さがR波の1/4未満。(幅1mm未満、深さ1mm未満という基準もあり)
ⅠaVL・V5V6に生じるsmall q波は中隔性q波といい正常です。(心室中隔の興奮)

異常Q波

①幅が1mm以上+深さがR波の1/4以上のQ波。(深さ1mm以上という基準もあり)
②正常では認められないV1~V3のq波も異常Q波になります。
ⅢやaVLの単独の異常Q波はあまり問題ありません。(ⅢやaVLは正常QRS電気軸のはずれにあるため。)
※必ず左脚ブロックとWPW症候群を除外します。

心筋梗塞や心筋炎で異常Q波を生じます。

ゴロ q波・Q波が出現する疾患
エヴァンゲリ〇ン新劇場版Q
ミサト「①シンジ、②シンジ、③シンジ、④シンジ!!大変よ!」
そこには
⑤右胸心で⑥COPDで⑦肥満で⑧左脚がレゴブロックのエヴァ(⑨WPW←エヴァの顔)が!!

①心筋梗塞
②心筋炎
③心筋症
④心室肥大(左室肥大)
⑤右胸心
⑥COPD
⑦肥満 ⅡⅢaVFに出ることあり
⑧左脚ブロック
⑨WPW症候群(B、C型)
+α心室瘤、アミロイドーシス、やせ型(aVLに出ることあり)

心筋梗塞 MI:myocardial infarction

冠動脈の閉塞による心筋の壊死です。
①STEMI(ST上昇型心筋梗塞)と②NSTEMI(非ST上昇型心筋梗塞)があります。
遠方に向かって梗塞部(壊死部)→傷害部→虚血部→正常部と移行します。
STEMIは心不全や心原性ショック、重症不整脈を合併しやすい。

心筋梗塞の時期分類

急性期…発症から1週間以内
亜急性期…発症1週間から1ヵ月
陳旧性期…発症から1ヵ月以上

※上記の急性期内でさらに分かれます
①超急性期…発症から2時間以内
②急性期…2~24時間
③亜急性期…24時間~7日

鏡像変化 mirror image (対側性変化 reciprocal change)

鏡像変化(対側性変化)
鏡像変化は心筋梗塞や異型狭心症に特徴的です。
前壁中隔梗塞はV1~V4でSTが上昇。mirror imageとしてⅡⅢaVFでSTが低下します。(低下しないことも)
下壁梗塞はⅡⅢaVFでSTが上昇。mirrorとしてⅠaVL・V2V3などでSTが低下します。(〃)
後壁梗塞はV7~V9でSTが上昇。mirrorとしてV1V2でSTが低下します。(〃)

心筋梗塞の心電図変化

※ST上昇型心筋梗塞(STEMI)の場合

※小さなr波が残り異常Q波にならないものもあります!特に前壁梗塞(陳旧性心筋梗塞)で波形がV1~V3のpoor r (wave) progressionのみということがあります。

ゴロ 心筋梗塞の心電図変化
新規の ええしご  数時間からスタートして日給で、1週間で完成 (実際はブラック業務で)2週間でステる
心筋梗塞 ECG T↑ 数時間でST↑、約1日で異常Q波、1週間で冠性T波 2週間でST(戻)る

発症直後~数時間:T波上昇、ST上昇
数時間~1日:異常Q波出現
約3日:ST改善傾向
2日~1週間:冠性T波出現
約2週間:ST正常化
数ヵ月:T波正常化
1年以上:異常Q波残る

※T波上昇時(心筋梗塞超急性期)はトロポニンTやCK-MBは上昇しません。

心内膜下梗塞や後壁梗塞は上記の心電図変化とは異なります。

心内膜下梗塞の心電図変化
①ST低下 ②陰性T波 ③QT時間延長 異常Q波なし

後壁梗塞の心電図変化
①V1~V3でST低下(ST上昇のmirror) ②R波の増高(異常Q波のmirror):V1で5mm≦R波 or S波<R波 ③高いT波(冠性T波のmirror)←高いT波と分かりづらいことも。(V1~V3では通常でもST上昇やT波上昇がみられるため。)

また、後壁梗塞の心電図所見が”移行帯がV1、V2のみ”ということもあります。(亜急性期、陳旧性期)
もちろん背部誘導(V7~V9)をつければST上昇や異常Q波を観察できます。

非Q波心筋梗塞=NSTEMI≒心内膜下梗塞

貫壁性心筋梗塞の対義語に非貫壁性心筋梗塞、心内膜下梗塞があります。以前は貫壁性心筋梗塞をQ波心筋梗塞といいました。しかし、貫壁性心筋梗塞でも異常Q波のないもの、非貫壁性心筋梗塞でも異常Q波のあるものがあり混乱を生じました。
現在は、心筋梗塞の経過中に異常Q波が出ないものを非Q波心筋梗塞といいます。一般的に異常Q波のある心筋梗塞と比べ、予後は良好です。(再発率は高い。)

今日はここまでです。
皆さん、お疲れ様でした。

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