心電図⑩ ST低下 STが低下する疾患 狭心症

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10回目はST低下、STが低下する疾患、狭心症です。

ST

ST低下

ST低下の基準

基線(等電位線 TP line)から0.5mm以上のST低下(aVRは除く)

ST低下パターンと狭心症
※安静時心電図の無症候性ST低下は狭心症の可能性は低いです。
運動負荷や薬剤負荷によって一過性に生じる水平型や下行型のST低下が狭心症のサインです。

STが低下する疾患・病態

S くも膜下出血(脳血管障害) SAH
B 脚ブロック Bundle branch block
W WPW症候群
L 左室肥大 Left ventricular hypertrophy
D ジギタリス効果 Digitalis effect
H 肥大型心筋症 Hypertrophic cardiomyopathy
I 狭心症 Ischemia
R 右室肥大 Right ventricular hypertrophy
急鏡 急性心筋梗塞の鏡像変化
心内 心内膜下梗塞
人 人工ペースメーカー調律(心室)
カリ 低カリウム血症
非 非特異的ST-T変化

※心室性期外収縮はR波と逆向きのT波と表現され、ST低下ではありません。

ゴロ STが低下する疾患
各疾患の頭文字をとります  
ソフトバン〇(SB)と(W)ライブド〇ホールディングス(LDH)がIR(IR)を誘致しようとしたが急遽(急鏡)しらない(心内)人(人)がカリカリ(カリ)とじゃまをし、誘致非ず(非)すげーテンション低下!(ST低下)

狭心症

心筋の酸素の需要と供給が一次的にバランスを崩し、胸部の痛みや絞扼感を生じます。
・階段昇降や重い荷物を持った時などの労作時に胸痛発作を生じる労作性狭心症
・安静時に胸痛を自覚する安静時狭心症
に分類されます。
冠動脈硬化による器質的狭窄、冠攣縮による冠血流低下が原因になります。

労作性狭心症=器質性狭心症

冠動脈に器質的な狭窄があります。
労作で心筋の酸素需要が供給を超えると、胸痛を生じ心電図変化が起こります。
労作時にのみ心電図変化を生じ、安静時の心電図は正常です。

症状:胸痛や胸部圧迫感、動悸、息切れ。胸痛の持続時間は通常15分以下。胸部全体に感じることが多い。背中や腹部への放散痛も。

原因:冠動脈硬化症、大動脈弁閉鎖不全症など

心電図所見:
運動負荷や労作で心筋虚血が誘発され、ⅡⅢaVF・V4~V6でST低下を生じる。(虚血部位によらない)
ST低下は水平型(horizontal)、あるいは下行型(down sloping)となる。非発作時や安静時の心電図は正常。
ニトログリセリンの舌下投与で症状は消失し、心電図も正常化する。

検査:冠動脈造影、負荷心筋シンチ

治療:
発作時はニトログリセリンの舌下投与。
非発作時はβ遮断薬中心になりますが、経過によっては冠攣縮の合併も考え硝酸イソソルビド、Ca拮抗薬を併用します。
冠血栓の予防に低用量のアスピリン製剤を投与することがあります。
血行再建術(冠動脈バイパス術、PTCA)も行われます。

安静時狭心症=異型狭心症

安静時に胸痛を生じます。
安静時狭心症の典型例が異型狭心症です。
冠動脈の攣縮(痙攣)によって生じます。

症状:胸痛や胸部圧迫感、動悸、息切れ。胸痛の持続時間は通常15分以下。胸部全体に感じることが多い。背中や腹部への放散痛も。

原因:冠動脈の攣縮。労作とは無関係。飲酒、喫煙、高脂血症、糖尿病などが関与します。
夜間、早朝、安静時に発作を生じます。

心電図所見:
発作時にSTが上昇する。STとTが融合して単相曲線状となる。短時間で変化する。
異常Q波なし。陰性T波なし。mirror imageあり。
責任血管と所見が出る誘導は関連する。
ⅡⅢaVFにST上昇があり、mirror image ⅠaVL・V1~V4にST低下がみられる。(ことも)

鑑別(心電図上):AMI、心膜炎、Brugada型心電図(症候群)

検査:Holter心電図、冠動脈造影など
診断:
Holter心電図が有用です。
ニトログリセリンの舌下投与で発作は消失し、心電図も正常化します。
非発作時の安静心電図は変化がないものが多いです。

治療:
発作時はニトログリセリンの舌下投与。
非発作時は硝酸イソソルビドとCa拮抗薬が中心になります。
症状が消失しない時はニコランジルも併用されます。β遮断薬は冠攣縮を増悪させるため使用しません。


皆さん本当にお疲れ様でした。

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