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冠動脈

冠動脈は、大動脈起始部から分岐し、心筋へ血液を供給する動脈です。
主な冠動脈は以下です。
・右冠動脈(RCA)
・左冠動脈(LCA)
・左主幹部(LMT)
・左前下行枝(LAD)
・左回旋枝(LCX)
※心電図検定2〜4級ではRCA・LAD・LCXを中心に覚えましょう。
▼ さらに深く理解したい方へ

ゴロ 冠動脈の分岐
①海鮮②丼屋の ③前科者主(ぜんかものあるじ)の④体格は⑤中格
①左回旋枝→②鈍角枝 ③左前下行枝→④対角枝⑤中隔枝
ゴロ 冠動脈の細かい分岐
①海鮮 ②丼屋は ③高速の ④高架下
①回旋枝 ②鈍角 ③後側 ④後下
(海鮮丼屋の)主は⑤前科者で ⑥体格は ⑦中格
⑤前下行枝 ⑥対角 ⑦中隔
〈それ以外の枝は右冠動脈から!〉
冠動脈の灌流域
冠動脈はそれぞれの心筋領域に血液を供給します。
閉塞すると対応する領域に虚血・梗塞が生じます。
| 心筋部位 | 主な観察誘導 | 主な灌流血管 |
|---|
| 前壁中隔 | V1~V4 | LAD |
| 側壁 | I・aVL・V5・V6 | LADまたはLCX |
| 下壁 | II・III・aVF | RCAまたはLCX |
| 後壁 | V7~V9 | RCAまたはLCX |
※下壁は個人差があり、RCAまたはLCXが関与します。
ここで示したのは正常時の冠動脈と心筋の対応関係です。
次項では、これをもとに、冠動脈の閉塞でどの部位が心筋梗塞となり、どの誘導に心電図変化が現れるのかをみていきます。
冠動脈の刺激伝導系への灌流
・LAD:主に右脚・左脚
・LCX:洞結節(約50%)、房室結節(約10%)
・RCA:洞結節(約50%)、房室結節(約90%)
心筋梗塞(部位別)
前壁中隔梗塞

心電図所見:
・V1~V4でST上昇、T波増高、異常Q波、R波減高
・経過とともに陰性T波が出現、STは改善
・約30%でⅡⅢaVFにST低下(ミラーイメージ)
・移行帯はV5V6または消失
責任血管:LAD
▼ さらに深く理解したい方へ
鑑別:異型狭心症、心筋炎、心膜炎、たこつぼ心筋症、Brugada型心電図など
※STが上昇する疾患のゴロを覚えておくと、心筋梗塞の鑑別が容易になります。
ゴロはについては下記ページに記載されています。

検査:
・心筋逸脱酵素(CK-MB、トロポニン)で心筋障害の有無を確認
・冠動脈造影で血管の閉塞を確認
・心エコーで壁運動の低下を確認
治療:
・冠血行再建術(PTCR、PTCAなど)
・薬物療法(亜硝酸剤、抗凝固剤など)
側壁梗塞

心電図所見:
・IaVL・V5V6でST上昇、T波増高、異常Q波
責任血管:LADまたはLCX
▼ さらに深く理解したい方へ
鑑別:心筋炎、心膜炎、たこつぼ心筋症
検査:
・心筋逸脱酵素(CK-MB、トロポニン)で心筋障害の有無を確認
・冠動脈造影で血管の閉塞を確認
・心エコーで壁運動の低下を確認
治療:
・冠血行再建術(PTCR、PTCAなど)
・薬物療法(亜硝酸剤、抗凝固剤など)
下壁梗塞

心電図所見:
・ⅡⅢaVFでST上昇
・IaVL・V1~V3でST低下(ミラーイメージ)
・右室梗塞合併時はV3R~V5RでST上昇
責任血管:RCAまたはLCX
▼ さらに深く理解したい方へ
鑑別:心筋炎、心膜炎、たこつぼ心筋症
合併症:洞房ブロックや房室ブロックなど(洞結節や房室結節の障害による)
検査:
・心筋逸脱酵素(CK-MB、トロポニン)で心筋障害の有無を確認
・冠動脈造影で血管の閉塞を確認
・心エコーで壁運動の低下を確認
治療:
・冠血行再建術(PTCR、PTCAなど)
・薬物療法(亜硝酸剤、抗凝固剤など)
下壁梗塞 RCA vs LCXの鑑別
両者ともII・III・aVFでST上昇を示します。
・RCA
→ II<III、IでST低下あり
・LCX
→ II≧III、IでST低下なし
後壁梗塞


下壁梗塞に合併することが多く、単独発症は約5%です。
心電図所見:
・V1~V3でST低下、R波増高
・V7~V9でST上昇または異常Q波
責任血管:LCXまたはRCA
▼ さらに深く理解したい方へ
鑑別:心内膜下梗塞、WPW症候群A型、右室肥大
検査:
・心筋逸脱酵素(CK-MB、トロポニン)で心筋障害の有無を確認
・冠動脈造影で血管の閉塞を確認
・心エコーで壁運動の低下を確認
治療:
・冠血行再建術(PTCR、PTCAなど)
・薬物療法(亜硝酸剤、抗凝固剤など)
右室梗塞
下壁梗塞の30~50%に合併します。
心電図所見:
・ⅡⅢaVF、V3R~V5RでST上昇
・経過とともに陰性T波が出現
病態:
右心不全やショックの原因となる
責任血管:RCA
▼ さらに深く理解したい方へ
鑑別:異型狭心症、心筋炎、心膜炎
合併症:洞房ブロックや房室ブロックなど
検査:
・必要に応じて心筋逸脱酵素(CK-MB、トロポニン)で心筋障害の有無を確認
・冠動脈造影で血管の閉塞を確認
・心エコーで壁運動の低下を確認
治療:
・冠血行再建術(PTCR、PTCAなど)
・薬物療法(亜硝酸剤、抗凝固剤など)
まとめ 心筋梗塞部位と主な心電図変化・責任血管
※ST上昇型心筋梗塞の場合

※下壁梗塞では右室梗塞の合併を考慮し、追加誘導を記録します。(V3R~V5R誘導)
(右冠動脈は下壁と右室を灌流するため、下壁梗塞と右室梗塞は合併しやすい。)
今日もお付き合い頂きありがとうございました。
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