不整脈⑤ 心室性期外収縮


不整脈5回目は心室性期外収縮です。

心室性期外収縮 PVC (premature ventricular contraction)

心室内(ヒス束より下部)で生じる早期の異所性興奮です。
①異常自動能 ②リエントリー ③撃発活動(triggered activity)による。

心電図所見:
①P波のないQRSが早期に出現する
(基本調律のP波はPVCのQRSと重なることが多い。QRSの前や後ろに出現することも。)
②0.12秒≦QRS
基本調律のQRSとは形が違う
③T波はQRSと逆向き

Lownによる心室性期外収縮の分類
grade
0 心室性期外収縮なし
1 散発性(1分間に1回 or 1時間に30回未満)
2 多発性( 1分間に2回以上 or 1時間に30回以上)
3 多源性(多形性)
4a 2連発
4b 3連発以上(ショートラン)
5 R on T
多源性+2連発などのパターンもあります
※grade3以上はVTやVFを生じる可能性あり

同一誘導でPVCの形が同じものを単源性PVC、PVCの形が違うものを多源性PVCといいます。

R on T型PVC…PVCが先行収縮のT波の頂点近くに出現する現象。
この期間は心室の相対的不応期であり、心筋は電気的に最も脆弱な状態。この時、心室が刺激を受けると反復性心収縮が起こり、心室頻拍や心室細動を生じやすい。

心室性期外収縮の出現様式

心室性期外収縮には間入性心室性期外収縮と代償性休止期を伴う心室性期外収縮の2種類があります。
後者はさらに完全代償休止期と不完全代償休止期に分けられます。

①間入性心室性期外収縮

期外収縮をはさむRR間隔は不変です。
心室性期外収縮の不応期が消失すれば、次の洞結節からの刺激による通常の収縮が起こります。

②完全代償休止期を伴う心室性期外収縮

期外収縮をはさむRR間隔は洞周期の2倍になります。
心室性期外収縮の不応期が強ければ洞結節からの刺激は房室接合部を通過できず、次の刺激を待たなければなりません。

③不完全代償休止期を伴う心室性期外収縮

期外収縮収縮をはさむRR間隔は洞周期の2倍より小さい。
心室性期外収縮の刺激が房室結節を逆行することがあります。このときは洞結節がリセットされるため新たな洞周期により次の収縮が生じます。洞周期は乱れます。


連結期と副収縮

多発する心室性期外収縮では連結期を見ます
連結期とは洞調律と期外収縮とのRR間隔

①固定連結期

連結期が一定の心室性期外収縮

②移動連結期

連結期が不定の心室性期外収縮

③心室性副収縮

期外収縮が洞調律と無関係に独立したリズムで出現します(一部PVCの欠落があっても良い)
通常、治療は不要です。

☆PVCの発生起源 例)右室流出路自由壁
①V1、V2で
右脚ブロック型…左室起源
左脚ブロック型…右室起源
②Ⅱ、Ⅲ、aVFで
QRSが上向き…流出路起源 ※下方軸という
QRSが下向き…下壁起源 ※上方軸という
③V5、V6で
QRSが上向き…心基部起源 刺激が心尖部へ向かうため
QRSが下向き…心尖部起源 刺激が心尖部から離れるため
④QRS幅で自由壁か中隔かをみる
目安 QRS幅が3.5mm(0.14秒)未満…中隔起源 中隔は両室を同時に興奮させるためQRS幅は短い
目安 QRS幅が3.5mm(0.14秒)以上…自由壁起源 左右の心室を順に興奮させるためQRS幅は広い

心室性期外収縮の原因:心筋梗塞、心筋症、心筋炎、弁膜症、特発性など。

鑑別:心室内変行伝導を伴うPAC、間欠性WPW症候群、間欠性脚ブロック

治療:
動悸や胸痛などの症状が強い場合や、PVCの頻度が総心拍数の20%以上の場合は薬剤治療を行います。
心機能正常の場合、PACと同様にβ遮断薬、Ca拮抗薬、Naチャネル遮断薬の順に使用します。
心機能低下の場合、β遮断薬を使用し、無効の場合はアミオダロンを使用します。
薬剤が無効な場合はアブレーションを行います。主に特発性PVCがターゲットとなります。


皆さん今日も本当にお疲れ様でした。

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