※プロモーションを含みます
3回目は電気軸、右胸心、移行帯です。
電気軸
QRS電気軸(QRS平均電気軸)
心室興奮の平均ベクトルです。通常は心基部から心尖部へ向かいます。
以下のように分類されます。
1.正常軸
-30°~+90°(40歳以上) (40歳未満は-30°~+110°)
2.左軸偏位 LAD left axis deviation
-30°~-90°
3.右軸偏位 RAD right axis deviation
+90°~+180°
4.高度の軸偏位(北西軸)
-90°~-180°
5.不定軸:Ⅰ誘導とaVF誘導の両方で振幅和がほぼ0のもの、つまりⅠでR≒S、aVFでR≒S(例:SⅠSⅡSⅢなど)
電気軸はⅠ誘導とⅡ誘導のQRSの向きで分かります。
QRSの向き R>S:上向き R<S:下向き
ⅠのQRS向き ⅡのQRS向き
上向き.....上向き →正常軸
上向き.....下向き →左軸偏位
下向き.....上向き →右軸偏位
下向き.....下向き →高度の軸偏位(北西軸)
右軸偏位になる疾患・病態
ASD(心房中隔欠損)
左脚後枝ブロック
垂直位心(立位心) やせ型、COPD
側壁梗塞
右室肥大(肺性心含む)
右胸心
左右電極の付け間違い
左軸偏位になる疾患・病態
左脚前枝ブロック
心内膜床欠損症(ECD)
水平位心(横位心) 肥満、妊娠
下壁梗塞
左室肥大
左脚ブロック
WPW症候群(B、C型)
ゴロ 左軸偏位になる疾患・病態
①さじの②前菜 ③知んない産地の④太った⑤カジキの⑥⑦刺身刺身⑧W(ダブル)⑨ビシッ(前菜を出した時の効果音)
①左軸偏位 ②左脚前枝ブロック ③心内膜床欠損症(ECD) ④肥満 ⑤下壁梗塞 ⑥⑦左室肥大、左脚ブロック ⑧WPW症候群⑨(B、C型)
noteに心電図ゴロをまとめました。是非、ご覧ください↓
右胸心 dextrocardia
右胸心とは、心臓が体の右側に位置し、心臓自体も左右が逆転している状態です。心尖部は右下向きになります。
心電図所見:
心房の興奮は右下向き→P波はaVLで陰性、ⅡⅢaVFで陽性 Ⅰでは陽性と陰性どちらもあり
心室の興奮は右下向き→QRSはⅠで陰性、aVFで陽性
ⅠでQRSは下向き。(P波は陽性と陰性あり)ⅡとⅢの波形が入れ替わり、aVRとaVLの波形が入れ替わる。
V1からV6にかけてQRS振幅は小さくなってく。R波は低い。
右軸偏位。
移行帯なしが多い。
左右電極の付け間違い
心電図所見:
ⅠでP波、QRS、T波は全て下向き。ⅡとⅢ、aVRとaVLの波形が入れ替わる。右軸偏位。
鑑別:右胸心
右胸心と違いV1~V6の波形は正常!
移行帯 transition zone TZ
通常、胸部誘導でV1はR<S、V6はR>S。
移行帯とはR=Sとなるところ。
正常の移行帯はV3-V4間に位置する。
移行帯がV3V4
正常
移行帯がV1V2(右偏位)
1.後壁梗塞、WPW症候群(A型)、右室肥大、右脚ブロック
2.診断名がない場合、反時計方向回転と言います やせ型でみられやすい
心臓を下から見上げると(CTと同じ)V3からV1の方向は反時計方向にあります。
時計をイメージしても良いです。3時(V3)から1時(V1)は反時計方向。
※時計方向回転や反時計方向回転は除外診断名です。
移行帯が変化する病名があれば時計方向回転、反時計方向回転といいません。
移行帯がV5V6(左偏位)
1.前壁梗塞、WPW症候群(B、C型)、(拡張型)心筋症、左室肥大、左脚ブロック、肺塞栓症(PE)、COPD、poor r (wave) progression
2.時計方向回転(診断名がない場合)
ゴロ 移行帯がV5V6になる疾患や病態
①V6のライブに②行こう!当日→③前列で④真剣にshowを見ていた⑤⑥ササ(人名)が⑦急にハイテンション⑧塩を⑨プァ―とまく
①V6が②移行帯 ③前壁梗塞 ④心筋症 ⑤⑥左室肥大、左脚ブロック ⑦急性肺性心(急肺) ⑧COPD(CO) ⑨poor r progression(poor)
移行帯なし
V1~V6全てでR<Sの場合 (R=Sへと移行しない)
前壁中隔梗塞、poor r wave progression、reversed r wave progression、右胸心のほとんど
◇移行帯偏位 図
V1―V2―¦V3―V4¦―V5―V6
反時計方向¦正常 ¦時計方向
心電図は必要な用語を覚えていけば、どんどん読めるようになります。
一緒に頑張りましょう。
ER心電図基本編の選択肢と解答を作り、noteにまとめました。
下記から是非、見にきてくださいね。
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